夜尿症(おねしょ)
- 2022年4月19日
- よくある症状
原因と症状
夜寝ている間に無意識におしっこを漏らしてしまうことを、おねしょ・夜尿症と言います。幼児期(乳児から幼稚園児の時期)のものを「おねしょ」と言い、5〜6歳(小学生入学時期)以降のものを「夜尿症」と言います。
夜尿症の原因は、「子どもの性格の問題」「育て方の問題」と言われることがありますが、これは誤った考え方です。
おねしょ・夜尿症の原因は、複数の要因が重なって起きることが一般的です。
・寝ている間の尿の量が多い
・膀胱に尿を溜められる量が少ない
・睡眠障害
・心理的ストレス
・膀胱や腎臓の器質的な異常
受診の目安
おねしょ・夜尿症の多くは自然に治っていくことが多く、またおねしょ(夜尿)が身体に悪影響を及ぼす可能性が低いことから放置されることが多い病気です。ただ、夜尿が小学生になっても継続している場合は、夜尿をしていることでお子さんが自信を喪失し、心理面・社会面に様々な影響を与えます。例えば小学校の修学旅行や幼稚園のお泊りの際に、「おねしょ・夜尿をしてしまうのではないか」と不安になってしまうといったことがあります。
このような不安やストレス自体が夜尿の消失時期を遅らせる要因ともなるため、なるべく早く治療を行うことをおすすめします。早めに治療することで治癒率が高いと言われており、治療開始後に半年までに約80%のお子さんで症状が軽快するとも言われています。
治療
夜尿症の治療方法はいくつかの種類があります。
●薬物療法
・抗利尿ホルモン薬
⇒尿の濃度を濃くし、尿量を少なくする作用を持つお薬です。
・抗コリン薬
⇒膀胱に尿を多く溜めれるように、膀胱機能を安定させる薬剤です。
・三環系抗うつ薬
⇒もともとはうつの状態を明るくしてくれるお薬ですが、夜尿症治療にも使われており、尿量を少なくしたり、尿意で自然に起きやすくしたり、膀胱機能を安定させたりするお薬です。
・漢方薬
●アラーム療法
パンツに水分を感知するセンサーを取り付けておくと、夜尿の水分を感知しアラームが鳴り、そのアラーム音で起床することで排尿を抑えて、少しずつ睡眠中の膀胱容量を大きくする治療法です。
●心理カウンセリング
夜尿が再発したり、ストレスが原因で夜尿になっている可能性が高い場合に行います。
家庭で気をつけること
夜尿は、寝ている間に起こるもので、お子さんの意思とは無関係に生じます。そのため、夜尿をしてしまったお子さんを叱ったとしても、おねしょ・夜尿症の改善には繋がりません。繰り返しになりますが、おねしょはお子さんの性格や育て方などとは関係がありませんので、おねしょをするのは自分のしつけのせいだとご自身を責めないようにしてください。
また、無理やり起こして排尿させることは、睡眠リズムを崩す原因となりますので避けましょう。「夜尿は必ず治る」とお子さんを安心させ、夜尿の無かった日は褒めてください。親御さんがサポートしてくれていることを感じさせ、自分で治そうとやる気を起こさせることが大切です。