夜泣き
- 2022年4月19日
- よくある症状
夜泣きとは
夜泣きは、生後0 か月の赤ちゃんから見られ、夜中に起きて泣きだすことを指します。夜中に泣き出すこと自体は病気では無く、大きな問題ではないのですが、十分な睡眠がとれないことで、日中に元気がない、食欲がないという具合に活動に支障をきたすことが分かっています。中には、夜驚症(眠っている最中に大きな声で喚く)や夢遊病(眠っている最中に起き上ったり歩き回ったりする)といった症状が見られることもありますが、ここでは一般的な夜泣きについてお話いたします。
みんなが悩む夜泣きストレス
夜泣きが続くとお子さまが何度も夜中に起きてしまい、充分な睡眠がとれないことから、日中不機嫌になったり、食欲がなったりするなどの様子が見られることがあります。しかし、これはお子さまの問題に限らず、育児をするお⺟さんやお⽗さんといった保護者の⽅も夜中に起こされて睡眠不足やストレスの原因になるということは多くの⽅が経験されているかと思います。夜泣きが続くせいで育児ノイローゼになるという⽅もいらっしゃいます。
世間には独自の経験に基づいた夜泣き解消法や、テレビなどで興味を引くように編集された夜泣き対策法など多種多様な⽅法があります。実際には世帯構成やお子さまの性格など様々な要因があるため、なかなか結果に結びつかないということがあります。一人一人に合わせた解消法を行っていくことが大切です。
夜泣きの原因
夜泣きの原因は、大きく分けて
疾患・けが
・鼻づまりや鼻水による呼吸困難
・アレルギー性鼻炎
・アトピー性皮膚炎
など
生理的要因
・おしっこやうんちによるおむつの不快感
・お腹が空いている
・暑いまたは寒い
など
生活習慣・環境
・お昼寝の時間が⻑い
・部屋の照明が明るい
・夜中の授乳癖がついている
など
の3つがあります。これらの1 つが原因である場合や、複数重なって夜泣きの原因となっていることも少なくありません。
夜泣きの治療
病気やけがが原因の場合は、症状や病気、けがに合わせた治療を行うことが大切です。原因を取り除くことで鼻づまりや肌の痒み、痛みなどの不快感を解消して落ち着いて眠れるようにします。
夜泣きを引き起こす原因は、赤ちゃんがストレスを感じているものであり、ストレスを取り除くことでも症状の改善が見られます。当院では、生活習慣の相談に加え、抑肝散や抑肝散加陳皮半夏、⽢⻨大棗湯といった漢⽅薬を使った症状の改善を図る治療を行います。
また、生理的要因や生活習慣・環境が原因の場合は、おむつを変えたり、室温を調整したり、寝室の照明を消しておくなど不快感を取り除いてあげるようにすることが大切です。よく夜泣きをすると、すぐに夜中にミルクや⺟乳を与えるという⽅もいらっしゃいますが、夜中の授乳癖がついてしまうので、夜泣きを増加させる要因になります。初めはつらいとは思いますが、お子さまが泣き出してもまずは数分様子を見てください。この時お子さまは半分眠っているような状態なので、再びすぐに眠りにつくことが多いです。おむつの交換などを行っても泣き止まず、口を動かしてお腹が空いている様子が見られて初めてミルクや⺟乳を与えるようにしてください。
お昼寝の時間が⻑すぎる場合や眠りにつく前の習慣ができていない場合は、生活習慣を作ってあげることが大切です。日中に運動をしっかりと行い、決まった時間にお風呂や食事をとるなど、お子さまの体内時計は未熟な状態にあるので、整えてあげるようにしてください。例えば、19 時に食事をする、20 時にお風呂に入る、スキンケアやマッサージを行う、21 時にベッドに向かうなど日々のルーティンを作るようにしましょう。
お子さまは睡眠が大切です
お子さまの睡眠は1 日に起きたことを整理して、記憶に定着、成⻑するための大切な時間でもあります。夜泣きを繰り返していると、睡眠の質も下がり睡眠不足がADHD(注意欠陥多動性障害)などの発達障害や肥満に繋がるという報告もあります。保護者の⽅も大変な思いをされる夜泣きですが、お子さまにとっても良くない影響がでることが分かっていますので、まずはご相談ください。
誰しもが悩んでいることで病気ではないと思っても、悩んでいることが小児科への相談で改善することもあります。当院は病気の治療だけでなく、お⺟さんのお子様の悩みも相談して頂けるような場所を目指しておりますので、お気軽にご相談ください。