ヘルメット治療とは

ヘルメット治療とは、寝る向きの癖などによって絶壁頭や斜頭症といった位置的頭蓋変形症と呼ばれる頭の形が変形してしまった赤ちゃんに対して、一人一人にオーダーメイドのヘルメットを作成し装着することで頭の形状を改善する治療法です。赤ちゃんの頭のゆがみは、向き癖だけでなく、分娩時に産道を通る時や出産時の吸引分娩など出生前後の様々な要因によって発生します。一般的に、後頭部に圧力が加わることで短頭症（絶壁頭）に、左右からの圧力で斜頭症や長頭症となります。

治療法

頭のかたちがゆがんでいたとしても、月齢3か月未満であれば寝ているときに頭の向きを変える体位変換やタミータイム（赤ちゃんが起きていて近くで保護者が見守っている状況で赤ちゃんをうつぶせにして運動させること）を適切に行うことで、頭のゆがみが改善することがあります。しかし、生後3か月を過ぎると改善が難しい場合もあることと、早期の治療が望ましいとされているため、ゆがみに気づいた場合は早めに対応することが望ましいといわれています。ヘルメット治療は頭蓋骨のかたちに合わせたオーダーメイドのヘルメットを作成し、頭の成長に応じて適切に装着することで頭のゆがみを改善することができます。ヘルメットの説明については詳しくはこちらをご覧ください。

ヘルメット治療にかかる費用

ヘルメット治療は保険適用でないため、全額自己負担になります。治療費用は300,000円（税込）になります。治療費用には3Dカメラでの撮影費用、ヘルメットの作成費用、治療終了までの診察費用を含みます。

当院の頭のかたち外来について

当院では、絶壁頭や斜頭症の症状がみられるお子さんに対し、ヘルメット治療を行っています。まずは発症率自体1,000人に1人程度とかなり低いのですが、高次脳機能障害や特徴的な頭蓋顔面の変形などの症状がある頭蓋骨縫合早期癒合症の可能性を否定するために一度CT撮影ができる病院へご紹介させていただきます。問題がない場合は、当院で3Dカメラを用いて赤ちゃんの頭を撮影し、中症度以上の患者さんであれば治療を受けていただくことが可能です。ヘルメットは頭の平らになっている部分には空間を作り、頭が早く成長している部分には空間を作らないといったように調整を行ったオーダーメイドのものを作成します。そのヘルメットをお風呂の時以外1日23時間、2か月～6か月前後にわたって装着いただきます。なお、装着時間については専用のアプリを用いて日々記録をすることができます。また、1か月に1回程度、ヘルメットが今の状態でも問題ないか、その他お困りごとはないかということを確認させていただくため、通院いただきます。お子さんの頭のかたちが気になる、治療について相談したいなどございましたらお気軽に受診ください。